転職2回・営業と事務を経験した私が考える「営業から事務へのキャリアチェンジ」のリアル。向き不向きと、後悔しないための3つのステップ

「営業、もう疲れた…。でも事務職って私に合うのかな…」

20代でキャリアに迷う女性にとって、営業職から事務職へのキャリアチェンジは大きな選択ですよね。

結論から言うと、営業経験は事務職で最強の武器になります。

なぜなら、事務職で本当に重宝されるのは、営業で培った先読み能力や調整力だからです。必要なのはPCスキルだけじゃないんですね。

私自身、営業と事務の両方を経験しています。2回の転職を経て、ようやく自分に合う仕事を見つけました。

この記事では、私の実体験を基に、営業と事務とのリアルな違いと、自分に合うかどうかを見極めるための具体的なステップをご紹介します。

「営業ツラい…」だけで選んでない?営業と事務のリアルな違い

【私の実体験】営業職で感じていたモヤモヤの正体

営業職時代の私は毎日、何とも言えないモヤモヤを抱えて働いていました。

営業として結果を出せたら嬉しかったですし、お客さまとの交流が苦だったわけでもないのですが、それ以上にやりがいを感じていたのが、いわゆる“事務系”のタスクだったんです。退屈な作業は苦手なはずの私なのに、資料の作成や書類の処理がすごく楽しい。どうしてだろう?

当時はそのやりがいの理由がわからず、なんだかモヤモヤしていたのです。

【比較】営業は遠いゴールを目指す仕事で、事務は日々の達成感を積み重ねる仕事だった

そのモヤモヤの正体こそが、営業と事務との達成感のサイクルの決定的な違いでした。

営業志望だった私は当初、事務職について「地味で退屈そう」「コツコツ系の仕事はしんどい」と思っていました。

ですが、実際に両方経験して気づいたのは、むしろ営業のほうが果てしないコツコツ作業だったということです。

  • 営業職は、売上目標という非常に遠いゴールに向かい、日々、いつ実を結ぶかわからないようなタスクを積み重ねる仕事でした。
  • 事務職は一見地味ですが、今日中にこの請求書を処理する、午前中にこのデータをまとめる、といった短期的なタスクの宝庫でした。

つまり、営業は長期的な達成感をコツコツ追い求める仕事、事務は短期的な達成感を高速で積み重ねる仕事、という違いです。

私が事務職に適性があると気づいた理由

退屈なのが苦手な私にとって、事務職の「短期的な達成感を積み重ねる」という感覚が驚くほど性に合っていました。

仕事をどんどんこなしている!という満足感と、今日やることはすべて終わらせた、という達成感に満たされながら帰宅できる日々に、営業時代とは違う楽しさを感じられたのです。

あなたはどうでしょうか?

もし、営業の仕事に少しモヤモヤしていて、むしろ「目の前のタスクをサクサク完了させること」のほうに楽しさややりがいを感じるのだとしたら、それは事務職への適性があるからかもしれません。

とはいえ事務職にキャリアチェンジをする場合、せっかくの営業経験が活かせないのはもったいないと感じますよね。

朗報です。その経験は、事務職で最強の武器になります。

朗報!営業経験は事務職で最強の武器になる

武器① 営業の「今、これが欲しい」が手に取るようにわかる

営業として現場にいたからこそ、社外に出て働く同僚たちの忙しさや思考のクセがわかります。

「(あ、そろそろあの資料を頼まれるな)」

「(このデータ、きっとすぐ欲しいって言うな)」

次に必要なサポートがわかるから、誰よりも早く動くことができます。これこそが、営業経験者が事務職で発揮できる最大の強みです。

武器② 営業での板挟み経験が、社内での調整力に繋がる

営業は、お客さまと社内の間に立つ「板挟み」のプロでもあります。

だからこそ、各部門の事情や特色を理解しているのです。

「(制作部は今、この納期が一番キツいな)」

「(経理はこの形式の請求書じゃないと困るはず)」

ただの伝書鳩ではなく、双方の言い分を翻訳しながら調整できること。このスキルは、社内のハブとなる事務職でそのまま活かせます。

武器③ 数字を「意味」として捉える意識が、データ管理で差をつける

営業として数字に追われていた経験は、事務職でも強力な武器になります。

なぜなら、Excelに入力されている数値が単なるデータではないことを知っているからです。全ての数値は、顧客の動きや売上の結果という「意味」を持っているのだということを経験からわかっています。だからこそ単なる入力作業に留まらず、データの違和感や変化の兆しに気づくことができる。これは、Excelの技術以上に価値のあるスキルです。

転職前に試したい。本当に自分に合うかを見極める3つのステップ

Step1 事務職の種類を解像度高く知る

一口に事務と言っても様々です。一般事務、経理事務など色々あります。例えば私が選んだ営業事務は、営業部門のサポートに特化しています。受発注業務やお客さま対応など、社外とのやり取りが比較的多いのが特徴です。

まずは、自分がどんな事務職に興味があるのか知ることが第一歩です。

Step2 自分の「得意」を、事務職で伝わる言葉に言い換えてみる

興味のある事務職がわかったら、次はあなたの「得意」を棚卸ししてみましょう。

「営業しかやってこなかったから…」と不安になるかもしれませんが、その経験こそが「得意」の宝庫です。

ポイントは、事務職の求人票でも伝わる言葉に翻訳することです。

  • 「お客さま対応が得意」 → 「社内外の調整・電話/メール対応が得意」
  • 「提案資料作成が得意」 → 「PowerPointでの資料作成、Wordでのマニュアル作成が得意」
  • 「数字管理が得意」 → 「Excelでのデータ集計、進捗管理が得意」

このように、営業経験は事務職でも立派なスキルとしてアピールできます。

Step3 営業時代のモヤモヤが事務職で解消されるか確認する

スキルを活かせても、転職のキッカケとなったモヤモヤが解消されなければ意味がありませんよね。

せっかくのキャリアチェンジ。ここはしっかり確認しておきましょう。

解消されるモヤモヤの例:

  • 「ノルマや数字に追われるのが辛い」→事務には基本ありません。
  • 「日々の達成感を積みたい」→短期タスクの多い事務は最適です。

解消されないモヤモヤの例:

  • 「社内の調整業務がイヤ」→事務はむしろそれがメイン業務になる可能性が高いです。

(要注意)新たなモヤモヤの例:

  • 「ルーティンワークが苦手」→事務は日々同じ作業の繰り返しも多いため、これが新たな苦痛になる可能性があります。

ここまでしっかり確認できたなら、あなたは確かに事務職に向いていると言えるでしょう。

まとめ

営業から事務への転職は、「営業を頑張れなかった…」という“逃げ”では決してありません。

自分が本当にやりがいを感じることを見つけるための、戦略的なキャリアチェンジです。

もしあなたがこの記事を読んで「私、事務職に向いてるかも」と少しでも感じたなら、その直感を信じてみてください。

日々の達成感、という新しいやりがいがあなたを待っているはずです。もちろん、これまでの営業経験も決して無駄にはなりません。

この記事が、迷っているあなたの背中をそっと押すきっかけになれば嬉しいです。